国民健康保険と国民年金

Pension_handbook_(Japan)

日本に居住しているうちは、国民健康保険と年金は毎月支払わなければなりません。
しかし、前回もご紹介したように、『海外転出届』を出せば、この支払いは免れることができます。

国民健康保険

日本で発行された国民健康保険は、もちろんベトナムでは使えません。
しかし、ベトナムの病院で診察を受けた際に、必要書類を貰い、それを日本側に提出すると、後ほど還付してもらうことができます。

では、実際ベトナムに住んでいる日本人で、その還付サービスを利用している人はいるのでしょうか。
実は、筆者の知り合いに、このサービスを利用している人は一人もいません。

まず、ベトナムのローカル病院であれば、金額もたかが知れているということ。
そして、日系や国際病院で診察を受けた場合は高額となりますので、キャッシュレスの海外保険を利用することがほとんどです。

国際病院の場合は、ただの風邪で診察を受けた場合も、1万円~2万円請求されます。
健康保険の還付サービスはあくまでも現金を立て替えなければなりませんので、それほど有利には働きません。

帰国するときだけ、保険に加入したい

基本これはタブーです。
健康保険は日本に住んでいる人のみが受けられる待遇なので、上記のような甘い話はありません。

ただし、それは建前。

役所はみなさんがいつ日本に戻ってくるか、なぜベトナムへ行っているのか、など素性は分かりませんし、突っ込まれることもありません。
ですので、「普段は向こうに住んでいるが、今回は暫く日本に住むことになった」と一言言えば、簡単に健康保険証は発行してくれます。

健康保険証は後日郵送で送られてきますが、滞在日数が少ないため急いでいる方は、「明日病院を予約した」と嘘をついてみましょう。
その場で仮保険証を貰うことができます。

年金

法人のサラリーマンが加入しているのは厚生年金。
個人や自営業の方が加入できるのは国民年金となります。

年金は25年間支払わなければ意味がありませんので、ベトナムに移住したあとも支払いは続けるのが無難でしょう。
支払いは毎月の引き落とし、もしくは年一回の一括払いを選ぶことができます。
後者の場合は若干割引してくれます。

ただし、国民年金の支払いは、一ヶ月計算で約1万7千円。
ベトナムですぐに収入を確保できればいいのですが、最初の半年や一年は観光したり、語学勉強に徹して過ごす方は、無収入でこの支払いはちょっと厳しいですね。

もし、20代であれば免除申請ができますが、30代以降の場合は、海外転出届を出して、収入を確保できるまで支払いを延長するのがおすすめです。
ベトナムで会社員として給料を貰えるようになれば、出費が少ない分生活に余裕ができますので、毎月の年金支払いもわけありません。

国民年金は払うべき?

近年は日本の財政難から、みなさんが年金を受け取るころには、現在の年金体制は崩壊しているとの憶測もあります。
しかし、高齢化社会真っ只中の日本で、年金制度そのものが崩壊することは、まず考えられません。
名称や受給方法は変わっても、年金そのものは有り続けるでしょう。

国民年金を25年間支払い続けた場合、老後に受け取れる金額は5万円ちょっととなります。
さすがにベトナムでもこの金額で住むのは厳しいですね。
ただ、永久に受け取ることができるのは魅力です。
民間企業の個人積み立て年金と併せて、老後のことも早くから視野に入れておきましょう。

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